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記念小説第1弾です!ヒバピン+10です!
興味のある方は続きからどうぞー☆
ガチャリ。
ドアの向こうにはそこにいるはずのない人物が確かにいて、イーピンはしばらく声を出すことができなかった。
Whenever, wherever...
「……………」
「やあ」
「…………な!?雲雀さん!?」
「…何、僕が君の師匠にでも見えるわけ?」
「や、違いますけど…!」
だって師匠はそんなに無愛想じゃない――とは死んでも言えなかったが、別に雲雀の姿を確認できなかったわけではなかった。
ただ問題は、『なぜここにいるのか』と言うことで。
「だって雲雀さん、今日、お仕事」
「君はバカ?」
「ば!?」
思わぬ罵声にイーピンはあからさまにショックを受けた顔をして、終いにはふるふると震え出した。
怒りからか哀しみからか――たぶん両方だろう。雲雀は吹き出しそうになるのを堪えて、息をつきつつ言った。
「…まあ確かに、今日は仕事の予定だったけど」
「ほ、ほら、当たってるじゃないですか」
「当たってるけどハズレ。…1日早く終わらせてきたから」
「…え………?」
雲雀の言葉に、イーピンは目を見開いて彼を凝視する。
その悪戯めいた――だけどどこか優しい表情に、イーピンは自然と頬を紅く染めていった。
――確信のない予想はしない主義、だったけど。
「…ま、まさか…」
「…その、まさかかもね」
「っ…!」
見事に『予想』は『現実』になる。
しかし未だ信じられない風なイーピンを見て、雲雀は小さく笑うと彼女に向けて両手を広げた。
「ほら、おいでイーピン」
まるで小さな子供をあやすかのような優しい声音に、イーピンは少しだけ頬を膨らませる。
――けれどその目には、確実に涙が溜まってきていて。
「…ば、バカなのは雲雀さんの方ですよ」
「…ずいぶんと失礼なこと言うね。せっかく帰ってきたのに」
「だって」
「イーピン、」
これじゃあ埒が明かない。そう思って、雲雀はイーピンを軽く制す。
そして――彼女だけしか見せない優しい笑みを浮かべて、彼女だけしか伝えない言葉を贈った。
「誕生日、おめでとう」
だから、おいで。
――言ってしまってからは早かった。
イーピンは雲雀の胸に思いきり飛び込み、彼はそれを優しく受け止める。
雲雀の腕の中で、イーピンは大粒の涙を流しながら叫んだ。
「…っ、ひ、雲雀さんのばかぁっ!」
「ワォ、まだ言う?」
「だ、だってだって、こんなの…嬉しすぎるじゃないですか…っ!」
「当たり前でしょ、全部君のためな」
「うわぁぁもう言わないでくださいっ!本気で涙止まらなくなります…!」
「…君は本当に泣き虫だね」
――でも、そんな君だから。
愛しくて、大切で。
(生まれてきてくれてありがとう、イーピン…)
そんなことを言ったら今日の主役はまた怒りそうだから、雲雀は心の中だけで小さく呟いた。
とか言いつつ雲雀さん25日だけは何が何でも予定入れないと思うんだ(笑)(笑うな)
…や、でもまぁ、仕事とかだったらしょうがないよね。断れないもんねたぶん…
そしたら死ぬ気で頑張って25日以内に帰ってきてくれると信じています^^
雲雀さんはほんとイーピンには甘くあってほしい、と思う今日この頃。