二次元NLCPに愛を注ぐブログ
(苦手な方はダッシュで逃げてください)
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※続きから、この絵に関係あるようなないような(どっち)SSあります。
※イーピンの出番はそんなにないがヒバピンと言い張る←
※公式小説の内容(「恋するしっぽ」)をもとにしています。
ご理解いただけた方は続きからどうぞ^^
「…またか」
これで何度目のことだろう。
自分がいない間の応接室に、見知らぬ来客。
そして決まって机の上に置いてある何らかの贈り物。それは花だったり、得体の知れない毒物(のような料理)だったり様々だが――今回違ったのはいかにもプレゼント、といった体で綺麗にラッピングされていたことだ。
彼はそれを暫く見つめて、深く溜め息をついた。
そうしてプレゼントを手に取りくるりと踵を返すと、静かに応接室を出ていく。
――犯人などとうに知れていた。
しっぽを捕まえて
自分の家にありえない人物が訪ねてきたことで、綱吉の頭は一瞬にしてその思考回路を停止した。
そのまま相手を凝視することしかできない。その視線に苛立ちを感じたのか――雲雀はゆっくりとトンファーを手に取った。
「…咬み殺そうか?沢田綱吉」
「う、わあああああすいませんすいません!!気にしないでください、ち、ちょっとびっくりしすぎただけなので!」
首をはち切れんばかりの勢いで振り回し、雲雀の機嫌を損ねまいと徹する綱吉。当然のことだ、彼の機嫌を悪くしたら咬み殺されるのは、ほかでもない自分であるのだから。
しばらく綱吉を睨み付けていた雲雀だったが、今回の目的を思い出し渋々とトンファーをしまう。綱吉はほっと胸を撫で下ろしかけたが――まだ油断はできない、と再び身体を硬直させた。
「で…今日はどうしたんでしょうか!ヒバリさん!」
「……君のところにさ…」
「?」
「ダメだっつっただろ、ヒバリ」
突如割って入ってきた声。雲雀がぴくりと眉を跳ね上がらせるのと同時に、声の主――リボーンが綱吉の頭の上に現れた。
自分の頭に突然乗り上げられた衝撃に綱吉はバランスを崩しかけたが、すかさず声を上げる。
自分の頭に突然乗り上げられた衝撃に綱吉はバランスを崩しかけたが、すかさず声を上げる。
「り、リボーンっ!いきなり何す…」
「お前と会わせるわけにはいかねぇんだ」
「無視かよ!」
「…別に、咬み殺しに来たわけじゃないよ」
真っ直ぐにリボーンを見据えて、雲雀は―― 一体どこから出してきたのか――例のプレゼントを取り出して見せた。
あまりに雲雀に不釣り合いな可愛いラッピングのそれに、綱吉は目を丸くする。リボーンはといえば少しだけ考え込んで、やがてニヤリと笑みを浮かべた。
あまりに雲雀に不釣り合いな可愛いラッピングのそれに、綱吉は目を丸くする。リボーンはといえば少しだけ考え込んで、やがてニヤリと笑みを浮かべた。
「…なるほどな。アイツもなかなかやるじゃねぇか」
「え…あ、アイツ?てか、ヒバリさんそれは…」
「おいツナ、まさかとは思うが、守護者の誕生日を把握してないなんて馬鹿なことはねぇよな?」
「………え、まさか、ヒバリさん今日誕生日なんですか…!?」
ここで気付けたのは持ち前の超直感の賜物だろうか。バレたことが面白くないのか憮然としている雲雀を見て、綱吉はさっと青ざめた。
――まずい、それは非常にまずい。リボーンの言った通り自分は守護者全員の誕生日を把握していないが、この人のを知らなかったとあっては命の保証がない。
そう思った綱吉は勢いよく頭を下げて、盛大に叫んでみせた。
「お誕生日おめでとうございます、雲雀さんっ!い…いくつになったのか知りませんがこれからもお体に気をつけて…っ」
「うるさいな。誰が祝えなんて言ったの…それ以上何か言ったら、咬み殺すよ」
「ひいいいいいすいませんっ!!」
上げた頭をまた下げて、必死の綱吉をリボーンは呆れたような眼差しで見つめる。――ちなみに既に頭の上から降りて避難済み、だ。
そしてそんな綱吉は無視することに決めて、リボーンは雲雀に向き直る。不機嫌そうに眉を寄せた雲雀は、そのままリボーンを見下ろした。
「…これ置いていったの、あの子だろう?」
「さあな。…でも確か、誕生日を聞かれたっけな」
「勝手に教えないでよ」
「迷惑だったか?」
見透かしたようなリボーンの問い掛けに雲雀は更に顔をしかめた。――迷惑だ、などと。思っていないからこそ此処に来た。
今日のこのプレゼントを見て、今までのものも全て嫌がらせでは無かったのだとはっきり分かった。もちろん、だからといって来る度に校内を破壊していく罪を忘れるわけではないが、それはそれでまた別の話だ。
――要するに、いつもいつもこっそりとプレゼントを置いて帰って行く、実際にはまだ見たこともないその殺し屋は。何を意図してかは知らないけれど自分を喜ばせようとしているのだ。そしてそれを邪険に扱う気には、不思議となれなかった。
不意に、黙って会話に耳を傾けていた綱吉がようやく合点がいったとでも言うように手を叩いた。
「あ…分かった分かった!イーピンの話か!」
イーピン。改めて聞いたその名前を雲雀はずっと心の中に留めていた。
――そう、本当は。罪がどうとかいう前に会ってみたいと思っていた。誰もいない密室の応接室に気配もなく入り痕跡さえ残さないその実力を、学校を破壊するほどのかの爆発の威力を。この目で確かめてみたかった。そして闘ってみたい、ともこの男であるからにはもちろん思っていたけれど。
その矢先にこのプレゼントである。そこで彼はそのお礼を伝えることを名目として――否、この男はこういう面に関しては義理堅いので、表向きの理由としなくても十分立派な理由なのだが――彼女に会えないかと密かに画策したのだ。
しかしリボーンはといえば、ただ静かに首を振るだけだった。
「まあお前の言いたいことも分かるが…今は会わせられねぇ。俺がアイツの師匠に怒られちまう」
「…何それ。別に咬み殺そうってわけじゃないんだから、少しくらい良いじゃない」
「いや…すいませんヒバリさん。それはたぶん…まだ、無理です…」
状況を理解した綱吉でさえが眉を下げて盛大に息をつく。――そんなに自分と会わせられない理由があるのだろうか。何故?
人というのは会いたい人物に会えないとなると余計気になるもので、それは雲雀も例外ではなかった。段々と募る苛々をどう晴らそうかと考えていると、リボーンが小さく、だけどはっきりと言い付けた。
「…11月25日」
「…は?」
「イーピンの誕生日だよ。礼がしたいっつーんなら、そこで何かしてやってくれ。…こっちも、それまでには慣れさせるように頑張るぞ」
「な、慣れって…まあ、イーピンもヒバリさんに会いたがってるはずなので。ただ今はちょっと…家が破壊されかねないので勘弁していただきたいというか…」
ははは…と渇いた笑いを浮かべる綱吉。よく分からない二人の言動に、雲雀は首を傾げる。
――でも、まあ。いいことを聞いたような気がする。あと5ヶ月も先の話だが、そのときにはきっと、小さな殺し屋と面と向かって話せるのだ。
それに自分は以前も言ったはずだ。――『楽しみは後にとっておくのも悪くない』と。
「…分かった」
頷いて、雲雀は綱吉たちに背を向ける。「失礼したね」と手を翳しながら帰っていく雲雀を見て――綱吉もまた不思議そうに首を傾げた。
「…ヒバリさんがあんなにイーピンのこと気にするなんて…なんか意外」
「そうか?まあ、誰かに貸しを作るのが嫌なんだろ。それに…」
途中で言葉を切って、リボーンは少し考える。そして面白いことになったと言わんばかりの笑顔を浮かべて、綱吉に言ってみせた。
「アイツは強い奴が好きだからな」
***
――不意に、何かの気配を感じて雲雀は綱吉の家を見上げる。
1度訪れたことがあるため、綱吉の部屋がどこにあるかは理解していた。そしてそこに微かながらも、雲雀は確かに辮髪姿の少女を見た気がしたのだ。
「………」
窓辺にはもう誰もいない。だけど雲雀は至極楽しそうに笑って、今度こそ綱吉の家を後にした。
(しっぽを捕まえるのは、まだ先のお話)
…と、いうわけで、雲雀さんお預けのターンです(笑)
公式小説の設定から持ってきました。あの事件以来雲雀はイーピンのことを気にし続けていればいいと心底思っている。
だけどいろんな要因があって今はまだ会わせられない…とかね。それでさらに気になったりしてさ…そんなヒバピン展開を夢見たっていいじゃない…!
なんかどうしてもツナが出張る気がするが…だってあの子ツッコミ役に最適なんだもん…(笑)
ほんとにイーピンの出番が極少で申し訳ない限りです。もっとヒバピンヒバピンさせたかったなぁ…もしかしたら11月25日Ver.を、イーピン誕で書く…かもね。
それではここまで読んでくださってありがとうございました!^^
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