[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
こっちは現ヒバピン。別にヒバ誕のとリンクしてないですむしろ別物です!
なので一緒と思って見ないことをおすすめします;
それでは続きからどうぞ!
最後にやっぱり…
イーピン幸せな1年をすごしてください^^☆
カラカラ…
不法侵入など容易いことだ、とその男は思った。
もともとこの部屋の主は用心することに欠ける。現に今も、窓を開け放した状態で部屋を抜け殻にしていた。
まあその方が男には好都合で――彼は下の階から聞こえてくる喧騒を無視して、目的を達すると潔くその部屋を出ていった。
Only you
「………」
「…委員長?」
控えめに掛けられた声に、委員長と呼ばれた男――雲雀は顔を上げる。
見るとそこには、コーヒーと茶菓子を乗せた盆を手にした草壁の姿があった。
「…何?」
「いえ…何か思い詰めたような顔をしてらしたので…」
「そう?」
「はい。帰ってきてからずっとですよ?」
「…別に、なんでもないよ」
少しの間を置いて、雲雀はぽつりと呟いた。
しかし彼の言葉に多少嘘が含まれていることを、草壁は直ぐ様察する。
草壁はコーヒーを雲雀の前に置きながら、苦笑まじりに尋ねた。
「…やっぱり、直接渡してきても良かったんじゃないですか?」
ぴくり、と雲雀の眉が跳ね上がる。そしてそのまま草壁をじろりと睨み付けた。
(しまった。失言だったかもしれない。)そう思ったときには既に遅し。
草壁は渇いた笑いを返して、来るであろうトンファーの一撃に備え身を固くした。
――が。その衝撃が来ることはなく。
雲雀は深く息を吐くと、ぶすっと不本意そうに言った。
「いいんだよ。群れるのは嫌だし」
「や、だから、一人になるのを待って――」
「だって、爆発されたら、困るじゃない」
あぁ、と草壁はいやに納得してしまった。
この少女は極度の恥かしがりやで、雲雀に会うと顔を爆発しそうな勢いで真っ赤に染めて――そして本当に爆発してしまうのだ。箇子超時限爆弾、とかいう名前の技らしい。
最近は少しの会話くらいは慣れてきたものの、たぶん雲雀が自分にプレゼントを渡してくれる、というそのこと自体に彼女は嬉しくて爆発してしまうだろう、と草壁は思った。
「まぁ…確かに」
「そうだよ。だから今はまだ、これでいいんだ」
『今』はまだ。
そう言ったのを、草壁は聞き逃さなかった。そしてその意味を理解して穏やかに微笑む。
(あぁ、たぶんこの人は自覚していないだろうけど、)彼はとても彼らしくない台詞を呟いたのだ。
「…じゃあ、早く慣れてくれないと困りますね」
「どうかな。あの恥ずかしがりは、なかなか一筋縄にはいかない」
そう言って雲雀は少しだけ笑うと、コーヒーを一口だけ啜った。
――いつか、今日この日のことが当たり前のことになったとき、あの少女に話してあげよう。
誰かの誕生日を意識したのは初めてで。
誰かに贈り物をしたのだって初めてで。
だけど、それだけじゃない。
誰かのために、何かしてあげようと思えたのも、君が初めてだったよ。
(そしてたぶん、君だけだ)
というわけで第2弾。ちょっと補足。
雲雀さんとイーピンはまだそんなに仲良くないんだけど、雲雀さんの誕生日にイーピンは勇気を振り絞って誕生日プレゼントを渡しました。
そしてもともと義理堅い男(だと私は思っている)な雲雀は同じくイーピンの誕生日にお返しをしてあげようと、いまんとこそんな関係です。
でもまぁやっぱり雲雀さんも、気にはなってる感じかな?
…こんなに補足のいる小説ってどうなんだろうか…(汗)
そして雲雀さんのキャラが違いすぎてほんと申し訳ないです…!(土下座)